お米
地方国公立医学部5年。
学校では比較的真面目なキャラで授業・実習に取り組んでいる。
2025年6月20日〜22日にかけて札幌で開催された「第16回 日本プライマリ・ケア連合学会学術大会」に、私たちメドキャリもポスター発表に参加しました。この記事では、その様子と感想をご紹介します。
「学生が多い」学会
本学会では、「地域の医療を担う重要な役割を持つもの」を「プライマリ・ケア」と呼び、チーム医療や地域包括ケア、人生の最終段階のケア(ACP)など幅広い医療をテーマにします。医師だけでなく、他職種や学生も幅広く対象とされている点も特徴です。本学会のポイントは、学生が参加に大きく関わることができることです。
学生の参加者が他の学会と比較して多く、学生ポスターセッションは90演題、学生口演は33演題もありました。
(ちなみに今年の4月に名古屋で行われた日本小児科学会学術集会では、学生による口演・ポスター発表はそれぞれ5演題程度)
なお、学会の会員/非会員にかかわらず、初期研修医・学生・歯科医師・薬剤師・ メディカルスタッフ(資格取得後2年目まで)は参加費が無料で参加しやすかったです。
今年は札幌での開催で、比較的遠方からくる方も多い立地でしたが、これほどまで学生が参加していたのは驚きでした!来年は京都で開催されるそうです。
発表内容
はじめに、こちらが実際に発表したポスターの一部抜粋です。

メドキャリの活動テーマであり、僕自身も抱いている「キャリアの悩み」の解決方法の一つとして、一般に「自己分析」が有効であるとされています。キャリアの悩みの多くは、「自分が将来何をしたいのかわからない」など自分の価値観が不明確な場合がほとんどだからです。そこで、普段行っているペアミーティングが「自己分析」につながっているのかどうかを団体内で調査しました(ポスター左下の「目的」)。
調査の結果、ペアミーティングでは自分がどのような性格や考え方の癖を持っているかといった、自分についての考えを再認識する機会を多く得られているとわかりました。
なお、メドキャリではペアMTGで得た価値観をその場限りにせず蓄積するため、noteでペアMTG記事を発信しています。ぜひ一度noteを訪れていただけると嬉しいです!
なお、聴衆の方からは、「自己分析の方法にペアミーティングを選んでいる理由」や「ペア組の違いによる自己分析効果の違い」といった点について質問をいただきました。
前者に対しては、一人で自問自答を繰り返すような自己分析との違いとして「ペア相手からの客観的な評価を得られること」についてお話ししました。たとえば、どの診療科も魅力的で進路に悩んで診療科を決めきれないでいる人に対して、ペア相手は一歩引いた目で「そもそもなぜそこまで診療科に悩んでいるのか?」とその人自身に焦点を当て直してくれます。
後者のペア組の効果的な方法に関してはこれまでに考慮してこなかった視点で新鮮に感じ、今後の課題として考え直したくなりました。
準備のスケジュール紹介
はじめのポスターでは、今回メドキャリは私たちが普段行っているペアミーティングとその活動意義に注目しました。
発表までは、以下のようなスケジュールで進めました。
1月 抄録提出、企画メンバー募集
例年学会発表をされてきたメドキャリの先輩方を見て、学会発表には去年から興味を持っていました。まずは多くの人に「メドキャリとは何か」を知ってもらいたいと思い、「普段のメドキャリの活動に意義があるのか」というテーマについて考えることにしました。。
2月〜3月 試行的なアンケートを開始、アンケート修正
厳密でなくともアンケート作成の段階から調査を行うのは初めての経験でした。そのため、目的に沿ったアンケート調査が可能かどうか、アンケートの内容や集計など調査方法を試行錯誤しながら発表準備をする方針で進めました。
今回伝えたい内容(ペアMTGの意義)は抽象的で調査によって定量化することが難しく、「自己分析」の定義に苦労しました。ペアMTGで自分についての価値観について考えたかどうか、「はい」か「いいえ」かの二択で答えてもらうことで、自己分析ができた人の割合を見ることにしました。
4月 ポスター作成開始
視認性を考えたポスターの作成は初めてで、内容面だけでなく形式面を修正するのも時間がかかりました。少ない色にする/簡潔な見出しを各項目につけるといったアドバイスをもとに完成したポスターは、想像以上に満足できるものになり嬉しかったです。
5月 ポスター完成
6月 プレゼン練習、発表当日
発表の10日前からは、B5印刷したポスターの前で1日10回の発表練習を目標にしていました。毎日はじめの3〜5回は原稿を見ながらフレーズを覚え、その後時間を計りながら3回ほど暗唱しつつ時間調整し、最後にB5のポスターを片手に本番さながらの発表練習をするという、地道な練習をしました。練習は大変でしたが、これまで準備してきたものを無駄にしたくないという思いで本番前までやり切りました。
感想
発表を終えた私の感想は、以下の3点です。
・緊張した割には想像よりもスムーズに話せて嬉しかった(ポスター作成段階で練りながら内容を落とし込めていたのかもしれません)
・同じタイミングでポスター発表をされていた同世代の方々の活動がどれも魅力的に感じた
・「自分らしさを大切にしたキャリア」という視点からキャリア開発に取り組む団体は(私が見た限り)他に見当たらず、メドキャリの活動の独自性と貴重さを改めて感じた
発表では緊張しましたが、それ以上に、発表したからこそわかる他の発表の魅力、さらには他の発表と対比的に見たことで気づいた自分達の活動の魅力について感じることができました。

今の思い
今回は初めての学会発表ということもあり、貴重な経験ができて満足でした。同時に、課題も多く見つかりました。
特に質疑応答の際に聴衆の方の質問からみつかった直近の課題として、ペアミーティングの精度を高めるためにペアの組み方を見直すことにしました。
また、同世代の多様で魅力的すぎる活動の中で、メドキャリという団体がどのように存在感を示していくかという点は、今後の大きなテーマです。
学会で出会った同世代の学生や他団体の取り組みからは、一生懸命に活動しているからこそ生まれる輝きを強く感じました。私たちメドキャリも、それに劣らぬ情熱と独自性をもち、自分らしいキャリア形成を支える活動としての魅力をより多くの人に届けていきたいです。
謝辞
今回の発表では、HITO病院の五十野博基先生に大変お世話になりました。貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。
