ひらめ
ひとりが大好きなマイペース医学生。超が付くほどの心配性で、モットーは「念には念には念を」

本シリーズでは、『医学部低学年が実は気になるあんなコトやこんなコト』をテーマに、医学生が抱いた疑問を、読者の皆さんと一緒にのぞいていきます。
今回は、「学会ってどんなところ?」という素朴な疑問を調査すべく、まずは筆者の学会参加レポートをお届けします!後編も配信する予定ですので、ぜひお楽しみください😊

はじめに

私は2024年11月16日・17日に長崎で開催された、『第56回 日本小児感染症学会総会・学術集会』に参加しました。当時、学部3年生であった私にとって人生で初めての学会参加でしたが、緊張の中でもポジティブな学びや反省を得られた貴重な経験となりました。

第56回 日本小児感染症学会@出島メッセ長崎
第56回 日本小児感染症学会@出島メッセ長崎

この記事を読んでくださる方が「私もそこが不安だった!」と共感できたり、「そんな体験もできるんだ!」とワクワクを感じられたら、、、これから学会参加に挑戦する皆さんが一歩踏み出すきっかけになれたら嬉しいです。

貧乏大学生、お金に釣られました

今回、参加を検討したきっかけは所属研究室の先生からの勧めでした。私は自大学の熱帯小児感染症学の教室に所属しており、お世話になっている先生が本学会の運営にも携わっていることから、何度かお知らせがありました。もともと興味のある分野ではあったものの、初めての学会ということで、「私みたいな初学者が行って場違いじゃないのかな」という不安が上回ります。さらには一緒に参加してくれる知人も見つからず。ぼっち確定の状況で、参加への気持ちはますますしぼんでいきました。

そんな中で考えが逆転する最大の決め手となったのは、参加費が無料であったこと。「結局お金かよ!」と言われるかもしれませんが、約15,000円が0円になるのは学生にとって結構重要な話ではないでしょうか。おかげで「とりあえず登録してみよう!」と前向きな気持ちになり、先生との話題づくりも兼ねて1日だけ行ってみることにしました。

生成AIって結局使っていいわけ?

会場に着いて真っ先に感じたのは、「人が多い!」「やっぱりスーツ着てくれば良かった、、、」の2つでした。正直、長崎という西の果てにこれほどまでの人数が集まると思っておらず驚きましたが、「これだけいれば学生がいても紛れられそう」と安心したのを覚えています。

単独での参加ということで、事前に発表されていた日程表をもとに、とにかく気になる講演を聞こうと決めていました。結果として4つの講演を聴講することができましたが、中でも印象的だったのが松井健太郎先生による『医学領域における生成AIの活用』のご講演です。

近年、急激な成長が話題の生成AI。皆さんも一度は使ったことがあるのではないでしょうか?大学ではレポート作成等におけるAIの利用を禁じる注意喚起があり、医学研究においてなおさら難しいと思っていました。ところが、講演会場に行ってみたらびっくり。会議室に溢れんばかりの人が集結していたのです。
 講演では、Chat GPTやGemini、Claudeを用いた論文要約やアブストラクト作成の例が紹介されました。PDFを投げるとすぐに記述が始まり、そのスピードに会場は大盛り上がり!自身の研究でも積極的にといった声がいくつも聞かれました。さらに、キーワードと過去問を投げればそれを学習した生成AIが類題を作ってくれるという機能もあるとのこと。試験問題を作る先生方だけでなく、CBTや国試の勉強をする私たちにもぴったりだと感じました。
 もちろん、解説の正確性は100%ではない(聴衆の先生談)とのことだったので、その点では注意が必要です。知識が乏しい学生が生成AIを活用するためには、精度に対し常に懐疑的な目を向け、文献や参考書を通じて自分の目で確認する姿勢が不可欠だと思います。
 とはいえ、Chat GPTしか知らなかった私にとっては全てが新鮮に感じられ、実際に学会後は生成AIを使う機会がぐっと増えました。また、生成AIを動かしながら講演するスタイルも、専門的なカタカナ語にもつまずきがちな私にとってはとてもありがたいものでした。おかげで、途中で諦めることなく内容についていけたと思います。

次回は気を付けて!私が見つけた落とし穴3選

実用的な知識が伺えて面白かった反面、初めてだからこそ気づく反省点もいくつかありました。

  1. ポスター発表を見に行かなかった
     事前の配布資料には口演発表のスケジュールしか公開されておらず、そこからピックアップしてしまったため、MYスケジュールが全て教育講演やシンポジウムで構成されてしまいました。しかし、発表者の多くはポスター発表に集まっているため、自分の関心にぴったりの発表を聞くチャンスや、反対に、自分が予期していなかった新たな興味に出会える機会も多かったはずです。
     また、近い将来、発表する立場になれば、始まりはポスター発表になるでしょう。プレゼンテーションという観点で、「自分ならどのようなポイントに気を付けるか?」「自分の研究にはどのような意見が来るだろうか?」と自らに置き換えて見られるという面でも、ポスター発表は大きな学びになると思います。
  2. 抄録集を買わなかった
     学会経験の有無に関わらず「買うなんて当たり前でしょ」とつっこまれるかもしれませんが、
    ・抄録集は配られるものでなく買うものであること 
    ・事前申込も含めて、買う場所が決められていること
    ・講演資料のようなものは一切配られないこと
    などなど、私は恥ずかしいほど無知な状態で臨んでしまいました。その結果、講演を選ぶ判断材料となったのは講演タイトルのみ。今回は、結果として全て興味に合った面白い講演を拝聴することができましたが、より有益な情報を得られる別の講演を聞き逃したかもしれないと思うと極めて危険な行為だったと反省しています。
     加えて、抄録集がない→発表者の話やスクリーンに映るスライドで理解できるように集中しすぎる→メモをとる余裕がない、という負の連鎖が起きてしまい、学会参加後の振り返りが難しくなるという問題にもぶつかりました。新たな知識に触れる確率が高い“学生”という立場であればなおさら、抄録集は手に入れておくべきだと強く感じました。
  3. 質問をしなかった
     多種多様な講演を聞いて、分からなかった点や意見を伺いたかった点はいくつもありましたが、小心者の私にはそんな勇気が出るはずもなく。隣にいる人に話しかけてみることももちろんできないので、ひたすら孤独な時間が続きました。しかし、「学会は出会いの場である」とよく言われるように、日本全国から関係者が集結するこの貴重な機会を活かせなかったことは非常にもったいなかったと思います。とはいっても、専門家の皆さんの前で手を挙げて質問できるかと言われるとかなり厳しいのも事実です。はじめのうちは先述のようにポスター発表を聴講し、発表者との距離が近く、聴衆も少ない環境で実践を積んでいくことが現実的だと感じました。

おわりに

初めての学会はとても緊張しましたが、参加後の感想としては「行ってよかった!」の一言に尽きると思います。面白かった部分と次回に向けた課題を感じた部分、いずれもありましたが、授業やネットでは得られない学びに溢れた刺激的な時間でした。2回目の学会はどこに行こうか?今からとても楽しみです!(できれば誰かと一緒に行きたいな、、、)

対話は、キャリアの主食。

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